会長挨拶

第70回日本心臓病学会学術集会、会長:福田 恵一(慶應義塾大学循環器内科 教授)

第70回日本心臓病学会学術集会
会長 福田 恵一(慶應義塾大学循環器内科 教授)

この度、第70回日本心臓病学会学術集会を2022年9月23-25日にかけ、京都国際会館において開催させて頂きます。我国の臨床心臓病学を率いてきた歴史ある本学会の学術集会を主催できますことを、大変光栄に思っております。

本学術集会のメインテーマを「ヒト造り・モノ創りで挑む心臓病治療」とさせて頂きました。心血管領域の診断・治療機器/薬剤の進歩は目覚ましく、毎年新しいものが登場して参ります。こうした技術の進歩により、従来治療法がなかった疾患が治療出来るようになり、侵襲的治療がより低侵襲に治療が出来るようになっております。一つ一つの診断法、治療法が高度に専門化し、もはや一人の医師がすべてのことを理解・実施することはもはや非現実的な時代になりました。そこで重要になるのは、さまざまな先進的な診断法、治療法に精通した医師を人材育成すること、病院内で各診療科の連携によるHeart teamを結成しチームで治療法を検討すること、一般開業医もさまざまな先進的方法の意義・適応等を理解し病診連携・病病連携を密にすることで、掛付患者に最先端の治療を提供することであります。そのためには、各段階での人材育成が何より重要となってきます。

また、2000年頃までは医薬品、内視鏡、カテーテル、CT・心エコー等の診断・治療機器を日本人が開発し、世界に送り出してきました。私は若い頃、僧帽狭窄症に対する井上バルーンを開発された井上寛治先生の講演を聞いて、自分はこの先日本発世界初の治療法を開発したいと思いました。近年、本邦からの医療機器・医薬品の開発が減り、医療領域で毎年3兆円の大幅輸入超過になっています。一方、欧米では創薬・治療法開発の5割近くが大学の研究発のシーズであり、研究と臨床の場が非常に近くなっています。日本の医療現場でも、モノ創りを活性化する必要があると考えられます。本学術集会では、日本の心臓病学を発展させるために、ヒト造り・モノ創りをどう行うべきかをテーマとし、人材育成・診療連携・医師間の情報共有をどう実践するか、日本発の治療法をどう育成し、どう世界に届けるかに関し、議論が出来ればと考えております。皆様の活発な議論を期待しております。