第72回日本心臓病学会学術集会
会長 竹石 恭知
福島県立医科大学医学部循環器内科学講座
第72回日本心臓病学会学術集会の会長を務めさせて頂きます福島県立医科大学医学部循環器内科学講座の竹石 恭知と申します。この度、第72回日本心臓病学会学術集会を2024年9月27日(金)から29日(日)にかけ、仙台国際センターを会場とし、現地開催させて頂きくこととなりました。
さて、本学術集会のメインテーマは「多様化する心臓病学の今を知り、未来を描く。」とさせて頂きました。近年の心臓病学の進歩は目覚ましいものがあります。虚血性心疾患、不整脈、弁膜症、慢性心不全、心筋症、先天性心疾患、肺高血圧、末梢動脈疾患など多様な各分野の診断・治療は高度に発達し、従来は治療困難と考えられていた症例が治療できるようになりました。そのため、診療に携わる医療者には高度な専門性が求められており、日々切磋琢磨をしています。しかし、医療者は自らの専門分野のみに安住することはできません。重症心不全治療を例に考えると、循環補助デバイスの導入の判断、弁膜症や虚血病変への治療介入、心臓再同期療法適応評価、抗心不全薬の適切な導入、致死性不整脈への対応、心臓リハビリテーション、アドバンストケアプランニングの実施など、多様な分野・多職種からの専門的なアプローチが必要であり、医療者には高度な専門性と同時に循環器病全体を俯瞰し、Heart Teamとして診療を行うことが求められるようになりました。また、脳梗塞二次予防、腫瘍循環器領域への対応など循環器診療は、心臓疾患の枠を超えた学際領域へと変貌しており、さらには、遠隔診療、ビッグデータ、AI診療など循環器診療を取り巻く環境が変化しています。このように多様化した循環器診療に携わる医療者が最新知見をアップデートし、未来の心臓病学の発展に貢献できるような学術集会にするべく準備を進めております。
学術集会の運営は参加会費に加えて学会準備金を主体に進めますが、学術集会をより実りある会にするためには皆様方のご支援が不可欠と考えております。本学術集会を充実させ、活性化させるためにも力強いご支援を賜ることができればと思います。
よろしくお願い致します。