会長挨拶

第74回日本心臓病学会学術集会
会長 南野 徹
順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学 教授
第74回日本心臓病学会学術集会を迎えて
2026年9月11日から13日、長崎の地にて第74回日本心臓病学会学術集会を開催できますことを、大会長としてこのうえない光栄とともに、皆さまにご報告申し上げます。
今回本学会は、私が所属する順天堂大学が担当しております。順天堂は、天保9年──1838年に創設された、日本で最も早く西洋医学教育を始めた機関のひとつです。そしてその同じ頃、鎖国の扉のひとつであった長崎には、オランダ医学を礎とした「医学伝習所」が設立され、やがて長崎大学医学部として受け継がれていきました。
二つの異なる地に芽吹いた西洋医学の灯は、時代を超えて、今ここ長崎で再び交わり、未来への新たな鼓動として響こうとしています。
これまでの総会では、理事会が中心となってプログラムを構成してまいりましたが、今回、初めてその多くを、若手ネットワークの手によって編み上げていただきました。開催地の選定においても、若手の自由で真摯な声を大切にしました。新しい視点、新しい対話が、この長崎の空の下で共鳴しあう、そうした場を目指しております。
今回のテーマは、「次世代への鼓動をつなぐ循環器病学」。
それは、ただ未来を夢見るだけではありません。先人たちが歩んできた臨床と科学の道を、今の私たちがしっかりと受け継ぎ、その鼓動を次の世代へと確かに手渡していく、私たちの決意の表れでもあります。
そして今回は、医師だけでなく、看護師、薬剤師、臨床工学技士、栄養士、理学療法士など、多職種の皆さまが、それぞれの立場と視点を持ち寄り、しかし同じ高さの目線で、循環器疾患の本質とこれからの姿について語り合えるような構成といたしました。
まだ学会の扉をくぐったことのない若き臨床家や、日々患者に寄り添う多職種の皆さまにこそ、この新たな舞台に参加していただきたいと願っております。
学問と臨床、世代と職種、そして過去と未来が交差する、ここ長崎の地で──
次なる循環器病学の地平を、ともに切り拓いてまいりましょう。
皆さまのご参加を、心よりお待ち申し上げております。