ビジュアルワークショップ4

生きた心臓を心臓シミュレーションで再現

赤阪 隆史(和歌山県立医科大学 循環器内科)
杉浦 清了(東京大学 新領域創成科学研究科)

シミュレーションという言葉にはあまりなじみのない方も多いと思われるが、コンピュータ科学の進歩により現在では理論、実験とならぶ第三の科学分野とも呼ばれている。シミュレーションは不可能な実験を可能とし見えないものを見せてくれる技術であるが、これを医学に応用すれば色々な治療法を実際に行う前にコンピュータの中で試したり、生きた人間の中での1分子の動きを可視化することで臨床医学から基礎医学まで幅広い用途に役立てることができる。本シンポジウムでは世界をリードする日本の心臓シミュレーション技術について第一線の研究者の方に紹介をお願いしている。コンピュータの中に分子から細胞、組織および臓器に至るまでの構造と機能をそっくり再現したまさに生きた心臓に対する治療や病態の実際をご覧になれば心臓シミュレーション研究の実用化に近い現状と将来の大きな可能性を実感していただけるものと考える。