ビジュアルワークショップ3

心エコー図法の進歩

尾辻 豊(産業医科大学第2内科学)
大門 雅夫(東京大学医学部附属病院 検査部)

心エコー図法は、心機能や血行動態、弁膜症重症度の評価など、循環器診療における非侵襲的な検査法として欠かせないものとなっている。しかしながら、循環器疾患における概念、診断および治療は常に進歩しており、心エコー図法においても、それに対応した進歩が求められている。スペックルトラッキング法は、心筋の伸び縮みの定量化を可能にし、心筋虚血の診断や心機能評価法において新たな境地を開いた。3次元心エコー法は、虚血性僧帽弁逆流を始めとして、多くの心疾患の病態解明および治療法に新たな知見をもたらした。これまで注目されることの少なかった右心機能についても、心エコーはその活用が広まっている。さらに手のひらサイズの心エコー機器や心腔内の血流動態を可視化する新技術の開発など、技術面での進歩も著しい。臨床を担う者には、こうした心エコー図法における新技術や知見を、今後どのように臨床に活かしていくか考えていくことが求められている。本セッションでは、心エコー図法の進歩に関する演題を広く募集し、現在の心エコー図法の進歩についての知識を共有し、さらに今後の展望や方向性についても議論したい。