コントロバーシー1

心房細動アブレーション:PVアイソレーションで充分か?

青沼 和隆(筑波大学医学医療系 循環器内科学)
五関 善成(東京医科大学 循環器内科)

実際の低い有効性と重篤な副作用の問題から、心房細動に対する抗不整脈薬治療の種々の問題が明確にされ、またAFFIRM試験をはじめとする多くの無作為割り付け試験の結果によって、21世紀における心房細動治療の主流はカテーテルアブレーションによる非薬物治療へと大きくシフトしてきた。
現在においては、発作性心房細動に対するカテーテルアブレーション治療は、揺ぎのないものとなってきた感があるが、実際には肺静脈隔離術のみで十分であるか否かの結論は未だ出ていないのである。
更には、持続性心房細動・長期持続性心房細動に対するカテーテルアブレーション治療として、肺静脈隔離術のみで十分であるか否かは全く持って明確となっていないのが実情である。
また、最近では本邦でもクライオバルーンカテーテルによる肺静脈隔離術が実施可能となったが、肺静脈隔離術として拡大肺静脈隔離術の優位性も未だ判明しておらず、肺静脈隔離術以外の治療法としてどのようなアブレーション法が最も優れているかも示されていない。
今回のコントロバーシーにおいては、お二人のディベートを通して、このあたりの問題点とその考え方の方向性を示すことが出来ればと考えている。
是非、本コントロバーシーではアンサーチェッカーを通して、聴衆も積極的に参加していただくことで、これ等の問題点に対する方向性が明確となればと考えている。