第67回日本心臓病学会学術集会

会長挨拶

第67回日本心臓病学会学術集会
会長 伊藤 正明
三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学

 第67回日本心臓病学会学術集会を2019年9月13日(金)~15日(日)に、名古屋国際会議場において開催させて頂きます。わが国の臨床心臓病学を率いてきた歴史ある本学術集会を主催できますことを大変光栄に思っております。
 本学術集会でのメインテーマは、心臓病学の“原点を学び、未来を創る -全身を診る、心臓をみる-”としました。今後の臨床心臓病学の発展には、理学所見をはじめとした患者を診る原点を大切にしながら、IoT、ロボット、AIなどの必要とされる新たな技術の進展も取り入れて、未来を創っていく必要があります。また心臓病は全身疾患の一病態である場合が多く、心血管のみならず全身を鳥瞰的に見ることは、心臓病の病態を正しく診断し、適切な治療法の選択とその評価を行う上で重要です。専門領域が分化した現在の医療においても、全身を診れる力が臨床心臓病医に求められ、いろいろな診療科、職種、医療機関・地域などの連携を推進しながら診療にあたるマインドも必要です。このような「原点を学び、未来を創る」および「全身を診る、心臓をみる」の両観点からシンポジウムを策定し、多くの参加者が自らの診療・研究を振り返ると共に、心臓病学の未来図を描く良い機会となるように企画いたしました。
 本学術集会では、例年と同様、シンポジウム、ジョイントシンポジウム、教育講演、トピックス、各委員会企画など、多岐にわたる企画を準備いたしました。シンポジウムにおきましては、活発な討論を期待した[徹底討論]、症例をもとにディスカッションする[症例から深く学ぶ]などの工夫も凝らしました。地域医療/実地医家活動委員会のJCCケースカンファレンスでは、日本各地域のFJCCによる企画を頂き、また心臓病医が非専門領域を学べる「心臓病医のための集中講義」も予定いたしております。本学術集会への参画を通じて、多くの医療従事者が心臓病学の原点を学び、未来を創る喜びとやりがいを共有していただければ幸いです。
 坂本レクチャーはWashington University in St. Louis のJohn GorcsanⅢ先生にご講演いただきます。その他、海外から多くの先生方に特別講演、ジョイントシンポジウムなども予定いたしております。
 また今回は、ACC Asia Conference 2019(ACC 会長:Aaron Kugelmass 先生、JCC会長:福田恵一先生)との初めての同時開催となります。臨床心臓病医の育成が一つの大きな使命である本学会が、ACC Asia Conferenceと学術企画を同時開催できることは、本学会の趣旨にとっても大変喜ばしいことと思っております。
 第67回の本学術集会が心臓病に関係する方々の充実した研鑽の場、また素晴らしい出会いの場となりますよう鋭意準備をして参りました。多数の皆さまのご参加をお待ちしております。